全盲の方が「指一本と音声」で使えるスマートフォンアプリ「コエンゴ」。その開発に向けたクラウドファンディングが、CAMPFIRE(キャンプファイヤー)で始まりました。
プロジェクトを実施するのは、一般社団法人日本視覚障害者遠隔援護協会です。株式会社リモートアシストは、端末・サービスの提供で参加しています。
プロジェクトの概要
| プロジェクト名 | 全盲の方のためのスマホアプリ「コエンゴ」で、ご本人とご家族にも安心を届けたい。 |
|---|---|
| 実施主体 | 一般社団法人日本視覚障害者遠隔援護協会 |
| 募集期間 | 2026年10月6日から11月20日23時59分まで |
| 目標金額 | 150万円 |
| 方式 | All-in方式(目標金額に届かない場合も、プロジェクトを実行し、リターンをお届けします) |
| ご支援の窓口 | CAMPFIREのプロジェクトページ |
集まった支援金は、アプリの開発・改修、視覚障害のある方による検証、完成後の情報発信や相談体制づくりに使わせていただく予定です。
「せめて、自分で電話をかけられるように」という声から
視覚に障害のある方やそのご家族から、スマートフォンや電話についてのご相談が数多く寄せられます。なかでも多いのが、電話に関する切実な声です。
- 視力が下がり、一人暮らしの母が自分から電話をかけられなくなった
- 視力を失った母に、もう一度自分で電話を使ってほしい
- 画面の名前が見えず、誰からの電話か分からないまま出てしまう父が心配だ
ご家族が望んでいるのは、たくさんの機能を使いこなすことではありません。まずは「電話をかける」「電話に出る」。それを自分の力でできるようになってほしい、という願いです。離れて暮らすご家族にとって、何かあったときに本人から助けを求められることが、いちばんの安心につながります。
VoiceOver・TalkBackを置き換えるものではありません
VoiceOver(iPhone)やTalkBack(Android)は、画面を見ることが難しい方の暮らしを支えてきた優れた機能です。実際に使いこなし、仕事や日常生活に活かしている視覚障害のある方も大勢います。
一方で、多くのジェスチャーを覚え、次々に流れる音声を聞き分けて操作するには、相応の力が求められます。ご高齢の方や中途失明の方のなかには、聴力の低下、音声を聞き取る負担、手指の動かしにくさ、記憶力の変化などから、努力や訓練だけでは難しい方もいます。
コエンゴは、そうした方にも別の入口を用意するためのアプリです。
- 使いこなせる方には、VoiceOverやTalkBackを
- 複雑な操作が難しい方には、指一本と音声で使える分かりやすい操作を
- それでも困ったときには、ご家族や支援者、人による遠隔援護につながる仕組みを
「人がスマホに合わせる」のではなく、「スマホを人に合わせる」。これがコエンゴの出発点です。
「コエンゴ」で実現したい5つのこと
画面を指でなぞると、そこにある機能を声で知らせます。使いたいものが見つかったら、長押しで選びます。見えなくても、この流れで操作できることを目指しています。
① まず、安心して電話できる
家族や友人など、よく電話する相手を最大20名まで登録します。画面を見なくても、音声を聞きながら相手を選び、簡単な操作で電話をかけられるようにします。電話がかかってきたときも、相手の名前を声でお知らせし、簡単な操作で出たり切ったりできる仕組みを目指します。
② 時刻とバッテリー残量を、音声で確認できる
画面の中から表示を探さなくても、画面の上部を1本指で長押しするだけで、現在時刻とバッテリー残量を音声でお知らせします。
③ 知りたいことを、AIに声で聞ける
「明日の天気は?」「この言葉はどういう意味?」。文字を入力したり、検索結果を読み進めたりしなくても、AIに声で質問し、声で答えを聞ける環境を整えます。スマートフォンを「操作する機械」から、話しかければ答えてくれる身近な道具へ変えていきたいと考えています。
④ スマホのカメラを「目」の代わりに
今回、特に力を入れたい機能のひとつです。カメラとAIを使って、届いた郵便物や書類を読み上げたり、周囲の様子を説明したりできるようにします。カメラを向けて、声で尋ねる。そして、声で答えが返ってくる。「見るためのカメラ」を、「知るためのカメラ」にしていきます。
⑤ AIで分からないときは、人につながる
AIは急速に進化していますが、すべてを正確に判断できるわけではありません。「書類のどこに名前を書けばよいか」「薬の袋に何と書いてあるか」など、人の判断や確実な確認が必要な場面もあります。
そこで、協会が取り組んできた「遠隔援護」と組み合わせます。離れた場所にいる支援者がスマートフォンのカメラ映像を確認し、必要な情報を音声でお伝えする仕組みです。AIでできることはAIに、難しいことは人に。両方の得意なことを組み合わせます。
これまでの歩みと、開発の体制
コエンゴはすでにプロトタイプができており、2026年8月21日・22日に開かれた日本ライトハウス展に参考出品しました。会場では当事者の方々に実際に触れていただき、改善点や操作上の配慮不足など、多くのご意見をいただきました。「見なくても使えるスマートフォン環境をつくる」というコンセプトそのものには、高い評価をいただきました。
いただいた声を仕様に反映しながら、実用化に向けた開発を本格的に進めます。
開発の体制
- プロジェクト主体:一般社団法人日本視覚障害者遠隔援護協会
- 端末・サービス提供:株式会社リモートアシスト
- アプリ開発:株式会社ArchAnalyze
ご支援のコース(リターン)
金額の大小にかかわらず、このプロジェクトに参加していただくこと自体が大きな力になります。コースは次のとおりです。
| 金額 | コース名 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 3,000円 | お気持ち応援 | お礼のメッセージと、開発状況をお伝えする活動報告(メール) |
| 10,000円 | 完成報告書・オンライン報告会 | 完成報告書(PDF)と、オンライン完成報告会へのご招待 |
| 30,000円 | 開発応援・お名前掲載 | お名前またはニックネームをコエンゴ公式Webサイトに掲載。完成報告書もお送りします |
| 50,000円 | 法人・団体協賛 | 法人名・団体名をコエンゴ公式Webサイトに掲載。完成報告書もお送りします |
| 100,000円 | 開発応援+端末45%割引 | コエンゴ搭載Androidスマートフォン(通常62,800円・税込)を、45%割引の34,540円(税込)で購入できる特典 |
| 210,000円 | 開発応援+端末100%割引 | 同じ端末を、100%割引の0円で購入できる特典 |
| 300,000円 | 特別協賛 | 名称をコエンゴ公式Webサイトと完成報告書に掲載。オンライン完成報告会へのご招待 |
端末付きのコースでは、購入した端末を、視覚障害のあるご家族や知人の方に譲っていただくこともできます。実際にご利用いただくには、国内通話かけ放題・データ通信10GB・遠隔サポートなどを含む月額3,980円(税込)の契約が別途必要です。コースごとの詳しい条件や注意事項は、CAMPFIREのプロジェクトページでご確認ください。
今後のスケジュール
- 2026年11月20日:クラウドファンディング終了予定
- 2026年11月中旬:第一次開発完了、視覚障害のある方による検証を開始
- 2027年2月:検証結果に基づく修正が完了
- 2027年4月:日常生活用具の候補品として申請を開始
最後に
私たちはこれまで、遠隔援護を通じて、「人の目」で視覚障害のある方の暮らしを支えてきました。これからは、そこにスマートフォンとAIの力を加えます。テクノロジーでできることはテクノロジーで、人にしかできないことは人の力で。
新しい技術が次々に生まれる時代だからこそ、その便利さから取り残される方をつくりたくありません。「見えなくても、スマートフォンで人や社会とつながっていける」。そのための第一歩を、「電話ができる」という当たり前の安心から始めます。
コエンゴを本当に使える形にするために、みなさまのご支援とご応援をお願いいたします。
株式会社リモートアシスト
