株式会社リモートアシスト(本社:大阪府茨木市)は、2024年2月1日より、視覚障がい者の見えづらさや、スマートフォンご利用歴に合わせて、最適なカスタマイズや視覚障がい者用アプリをインストールしたSIMフリーのAndroid端末「エルビーフォン」のサービス提供を開始します。
下記の通り1月15日にリリースいたしましたのでご紹介致します。
■発売とサービス開始の背景
全国の弱視者数は、厚生労働省の推計によると約145万人、総人口の約2.3%にあたり、今後の高齢化社会においてはさらに増加が予測されています。一方スマートフォンは加速度的に進化を続け、視覚障がい者が使いこなすためにはご本人の視力やITスキルに合わせたカスタマイズや使いこなしのフォローが必要となっています。これまでリモートアシストは全盲者への支援を行う「遠隔援護サービス」に取り組んでいましたが、今回対象を弱視者まで拡げ、より多くの方にスマートフォンの利便性を享受いただけるようにしました。
■視覚障がい者のスマートフォン、携帯電話の利用実態と課題
視覚障がい者がスマートフォンを使う上での課題は、操作の難しさと経済的負担の大きさが上げられています。
操作の面では、画面拡大機能やフォントサイズの調整機能を活用することで、弱視(ロービジョン)者にとって画面を見やすく調整できます。全盲の場合は、Talkback(Android)やVoiceOver(iOS)などの画面表示読み上げ機能を使用して、画面表示を読み上げさせたり、操作の結果を確認したりすることでスマートフォンを活用できます。
しかし、これらの機能を使いこなすためには、端末に対する綿密な事前設定と利用者の習熟が必要であり、フォロー体制も含めて課題となっていました。
また、3G電波のみを利用しているガラケー機種については、2026年3月31日(NTTドコモの場合)までに機種変更をする必要があります。これを機にスマートフォンを使ってみたいという機運も生まれています。このような状況の中、視覚障がい者、特にこれからスマホを使いたいという方が安心して使えるスマートフォンが期待されています。
■エルビーフォンの強み
今回サービスを開始するエルビーフォンは、Androidスマートフォン講習歴10年超の合同会社フロッグワークスが
完全監修、使いこなしのサポートを致します。代表の岸本将志は先天性の視覚障がい者であり、視覚障がい者のICT講習・サポーターとして活動中です。エルビーフォンを設定するにあたってはお一人ずつヒアリングを行い、その方の視力やご利用目的、スマートフォン利用歴などから、最適と思われるカスタマイズやアプリをインストールします。またご利用開始後においても使いこなしのサポートや、遠隔操作による設定変更、新たなアプリのインストール(有償)などを行います。
■エルビーフォンの特長
・画面読み上げ機能(TalkBack)の最適化
・画面の一部分を選択して読み上げさせる機能
・お客様の見え方に合わせた画面拡大や色反転
・文字が大きく入力しやすい検索画面
・視覚障がい者にお勧めのアプリを厳選
・ご希望のアプリもインストール
・携帯番号引継ぎ(MNP)可能
■サービス提供価格
機器本体レンタル代と50GBまでのデータ通信料の合計5,500円(税込)です。音声通話料は現在ご利用中のキャリアへ継続してお支払いいただきます。音声通話料を安くしたいという方には、国内通話かけ放題の格安サービスをご紹介します。
■エルビーフォンのネーミングについて
エルはLow vision(弱視者)、ビーはBlind(全盲者)を意味しており、
目の見えない方、見えづらい方どちらにもご利用いただけることが
わかるネーミングとしました。
■遠隔援護サービスについて
ウェアラブルカメラとAndroid端末を使用して、遠方の在宅サポーターと結び、
映像と双方向音声で全盲視覚障がい者の支援を行うサービスです。
エルビーフォンをご契約の方は、月額利用料に2,200円をプラスすることにより
遠隔援護サービスをご利用いただけます。
■Android端末について
ベースとなるAndroid端末は、弊社が購入しカスタイズやアプリインストール後にお届けを致します。店頭やネットでの購入はいただけません。またお手持ちのAndroid端末やiPhoneをカスタマイズすることはできません。
現在お申込みいただいた場合のAndroid端末はモトローラ社製のg52jとなります。
<g52j 5GⅡの仕様>
OS Android11
CPU Qualcomm® Snapdragon™ 695 5G
ディスプレイ 約6.8インチ FHD+(2460 x 1080)
サイズ 約171 x 76.8 x 9.1mm
重量 約206g